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オーガニックコットンはなんのため?

更新日:9月5日

わたしの友人が以前、「オーガニックコットン」とはよく聞くけれど具体的にどういうこと

かわからない。なにかお洒落にみせるためのもの、というイメージと表現した。

なんだその解釈は~??目が点になるほど驚いたと同時に、なんとなく納得。理念や理想の

高いエシカルな消費者の、なんとなくスノビッシュなふるまいや言動が鼻につくことって、

あるかもしれませんね。


スノビッシュかどうかは別として、今日はオーガニックコットンの理念的・理想的含意を紐

解いてみたいと思います。オーガニックコットンとは直訳すると有機栽培の綿。でも、「オ

ーガニックコットン」という言葉の含意はより広く、環境や社会に対する悪い影響を可能な

限り抑えた「公正な」コットンのことを意味する場合が多いです。


そもそもコットンといえば、自然のものだし、肌触りも優しいし、なんとなく地球にも優し

い感じがするかもしれません。でも違うんです。コットンは、環境問題や社会問題の面から

いって、代表的な要注意製品の一つです。とくに、2,000 円ではなく、200 円のフェイスタ

オルをつかっているあなた、知らず知らずのうちに大変な不公正に荷担している恐れが大い

にありますよ~(わたしも含めて...)。


綿花は農薬使用量の高い栽培品目のトップランナーです。世界的なコットン需要に呼応し、

化学肥料、殺虫剤や除草剤がコットン畑に大量投入されています。収獲作業の便宜から枯葉

剤が投入されることもあります。こういった化学物質が農地環境を悪化させ農民の健康を害

します。また灌漑用水やエネルギーも必要です。綿花を加工する過程でも、漂白剤や化学染

料が大量に使われます。これらが、引いては砂漠化や生物多様性の減少といった地球環境問

題にも繋がっています。


環境問題だけではありません。コットン産業は児童労働の代表的な温床の一つです。低賃金

で、かつややこしい労働交渉もしない子供たちが、使用者から見ると便利な労働力となって

いるのです。学校にも行けない貧しい子供たちが、炎天下、農薬にまみれながら、長時間、

綿花の受粉や収獲をしている姿がときどき報じられますね。それでも、大人を含め、労働者

の賃金はたいへん安く、働いても働いても貧困から抜け出せません。いわゆる搾取。グロー

バルな経済格差の構造に埋め込まれているのです。なお、綿花の加工工程、コットン製品の

製造工程にも児童労働があります。


こうした環境問題や社会問題を経て、わが家のキッチンシンクにひっかけられた 200 円の

フェイスタオルが存在するわけです。こうした問題には目をつぶり、買い叩いた結果に得ら

れた差額の 1,800 円を自分のためだけにつかうのか?あるいは自分のタオルを生産・製造

してくれる大地や生産者への公正な対価として追加の 1,800 円を支払うのか?という志の

違いがアレ。お洒落なかんじでスノビッシュな「オーガニックコットン」の理念的・理想的

含意というわけです。


ただし、2,000 円タオルを選択さえすれば、環境的・社会的不公正から直ちに免れる、とい

うわけでもありません。第一に、そもそもコットンのような大規模産業は環境負荷フリーに

はなりえないでしょう。たとえば完全無農薬だとしても畑を開くには森林伐採が必要だし、

農産物の育成や加工には水も必要です。大量な製品の流通にはエネルギーが必要だし CO2

も排出します。第二に、世界一律の認証制度なるものがあるわけではなく、認証の基準は多

様です。ゆえに「オーガニックコットン」を標榜する高級タオルは、ある視点から(とりわ

け化学物質)の外部コストに手当てされたことを意味するわけですが、それ以外の外部コス

ト(例えば社会的なそれ)が全く存在しないことをただちに保証するものでもない。誰の活

動に賛同し、どのフェイスタオルに 2,000 円を支払うのかは、消費者が常にチェックし考

え続けなくてはいけません。社会的な公正さと個人的な事情の間で悩みながら、最善と思わ

れる道を自らの責任で選択する、それがエシカルな消費者です。


以上今日は、タオルにパジャマ、シャツやシーツと、わたしたちの生活に不可欠なコットン

製品が抱える環境や社会の問題について考えてみました。ところで、要注意製品はコットン

だけではありませんよ。第一回のコラムでも紹介したように、朝の幸せコーヒー、おやつタ

イムの美味しいクッキー、食器を洗う洗剤、ペットボトルのミネラルウォーターと、わたし

たちの周りには問題が満ち溢れています。半径 1m を超える旅はまだまだ続くのだ!






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